日常生活を過ごしていても、鼻水が止まらないというのは落ち着かなく集中力を欠いてしまいます。鼻水が止まらなくなる原因は色々考えられますが、花粉症や風邪などでよくみられる症状です。鼻水が止まらないときの原因や見分け方など幅広く解説していきます。

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鼻水を出る女性

鼻水が止まらないと、仕事や勉強に集中できなくなったり作業の質が低下したりと、生活に支障をきたしてしまう可能性があります。
人前に出なければならない人にとって、流れ続ける鼻水が止まらないのは死活問題でしょう。
また、鼻をかみ続けることによる鼻周りの肌荒れも、頭を悩ませるポイントです。

鼻水が止まらない時は、花粉によるアレルギー性鼻炎やウイルス性の風邪などをはじめとして、いくつかの原因が考えられます。
それぞれの原因について、どのように対処すればよいのでしょう。
また、鼻水が出続けるのを放っておいてしまうと蓄膿症と呼ばれる疾患につながる可能性があります。
止まらない鼻水への正しい対処方法を知っておきましょう。

花粉が原因であれば治療薬を使うのが良い

止まらない鼻水の原因としてまず考えられるのは、何らかのアレルゲンによりアレルギー性鼻炎を発症している可能性です。
私たちの身体には、外から入ってきた異物を排除する免疫という機能が備わっています。
毎日大量の細菌やウイルスに囲まれて生活しながらも、多くの人が健康でいられるのは免疫の働きがあるためです。
しかしこのありがたい免疫機能は、誤作動を起こしてしまうことがあります。

身体に異物が入ってくると、その異物を体外に排除しようとして抗体が産生されるのが免疫機能の初めの働きです。
抗体が沢山作られると、肥満細胞と呼ばれる細胞からヒスタミンという物質が分泌されます。
ヒスタミンは、体内で炎症反応を起こすことでくしゃみや鼻水が止まらなくなったり、かゆみが出たりといった症状を引き起こす化学物質です。
花粉やカビ・特定の食べ物を異物として認識してしまい、鼻水やくしゃみといった症状がみられるものをアレルギー性鼻炎と言います。

アレルギー性鼻炎で出る鼻水はサラサラで透明であることがほとんどで、なかなか止まりません。
特に食事のあとや入浴後、起床後などの体温が急に上がったときに症状がひどくなるという性質を持っています。

残念なことに、アレルギー性鼻炎を根本から完治させる方法はまだ発見されていません。
そのため、アレルギーによる鼻水を止めるには、鼻水が出ている状態に対する対症療法を行うのが有効です。
対症療法としては、薬剤の服用が第一選択です。

アレルギー性鼻炎に用いられる薬は数多くあり、強さや作用の仕組みによって使い分けられています。
市販薬として医師の処方なしにドラッグストアなどでも購入可能な薬では、アレグラが有名です。
アレグラの主成分であるフェキソフェナジン塩酸塩は、ヒスタミンの分泌や受容体への結合を阻害することでヒスタミンの働きを抑えます。
そのため炎症反応が抑えられることで、鼻水が止まるという作用機序を持っています。

ザイザルは、アレグラと同様にヒスタミン受容体へ結合し、炎症反応を引き起こす伝達経路を遮断することで効果を示す抗アレルギー薬です。
抗アレルギー効果は高いものの、小児でも利用できる安全性の高い薬剤です。
また、比較的作用の強い抗アレルギー薬としてアレロックという薬が広く使用されています。
アレロックの主成分はオロパタジンという物質で、作用機序は前述の2つの薬とほとんど同じです。

アレルギーの薬と聞くと、副作用として眠気が出るというイメージを持っている人は多いかもしれません。
アレルギーを引きおこす原因物質ヒスタミンは、脳内では覚醒作用を示すものとして働いています。
そのため、抗アレルギー薬によってヒスタミンを阻害してしまうと、覚醒作用も同時に抑えられてしまうために眠気が起きてしまいます。

しかし、アレグラ・ザイザル・アレロックは、この眠気が出にくいように改良を加えられた「第二世代の抗ヒスタミン薬」という分類にあります。
薬の成分に、脳の方へと移行しにくいような工夫がされているため、覚醒作用を弱めることなしにアレルギーの諸症状を抑えられるというのがメリットです。

どんな薬剤にも言えることですが、薬の服用には細心の注意が必要です。
アレルギーの症状が出ているときは身体が過敏になっており、免疫反応の誤作動が起こりやすい状態です。
そのため、健康な時では問題のない薬に対してもアレルギー症状を起こしてしまうこともあります。
死に至る可能性の高い重篤なアレルギーである、アナフィラキシーショックという症状が出る可能性も高いため、これらの薬剤の服用の際には、薬剤師や医師などの専門家に相談することをおすすめします。

今までアレルギーが出たことが無い人であっても、突然アレルギー性鼻炎を発症する可能性は否定できません。
突然の鼻水に悩んでいる場合は医療機関で検査を受けましょう。

風邪を引くと鼻水が出る理由は?

アレルギー以外に鼻水が止まらなくなる原因としては、風邪が考えられるでしょう。
風邪の原因となるウイルスや細菌は、主に鼻やのどから侵入してきます。
喉の粘膜が細菌やウイルスによって刺激を受けると、身体は異物が入ってきたことを認識して排除しようと免疫を働かせます。
このことからわかるように、風邪の引き始めに鼻水が出る仕組みはアレルギーの時と全く同じです。
風邪もひき始めはアレルギー性鼻炎によるものと同じ、さらさらしていて透明の鼻が出ます。
花粉症ではこのような透明な鼻水が出続けますが、風邪の場合は粘度や色に変化がみられることがほとんどです。

鼻水が黄色や緑になるのは、粘液に白血球の死骸が含まれているためです。
身体に入ってきたウイルスや細菌はどんどん増殖して数を増やしていきます。
風邪を引いたときに血液検査をして、白血球の値が高くなっているのを見たことのある人がいるかもしれません。
これは、数を増やすウイルスや細菌に対抗するために免疫が信号を送ることで、病原体と戦う白血球の数を増やすためです。
白血球の多くは異物を食作用により白血球の細胞内に取り込み病原体の働きを失わせますが、同時に白血球自身も死んでしまいます。
これが鼻水に混ざると色がつき、粘り気が増したものになっていきます。

鼻水に色がついて来たら風邪が治ってきている証拠と言われるのを耳にしたことがある人は多いでしょうが、これは大きな誤解です。
色のついた鼻水が出ているということは、白血球が大量に死んでいるということです。
体内では今まさに免疫機構と病原体が戦っている状態であるため、この時期に治ったと思って無理をすると症状を悪化させてしまう可能性があります。
決して治りかけのサインではありません。

白血球の働きは、体温が高いほど活発になります。
風邪をひいたときに熱が出るのは、白血球を活性化して病原体を早く排除しようとするためです。
そのため、風邪で黄色や緑色の鼻が出ているときは、熱が出ていなくても身体を冷やさずに体温を高く保っておくと治りが早くなるでしょう。
背中や首元などにカイロを張ったり、暖かい服を着ることで身体の熱を保つようにします。
体温が下がると白血球が病原体の増殖に追い付けず、症状が長引いたり悪化してしまったりといったことにつながってしまうかもしれません。

風邪によって止まらなくなる鼻水は、大抵1週間程度で止まってくることがほとんどです。
体内にいる病原体を出しきってしまえば自然と治まるため、安静にして回復を待つのが最も有効です。
また、ひどい症状で医療機関にかかるときは、鼻水の状態を医師に伝えることをおすすめします。
病原体の予測や症状の進行を診断する手掛かりになるため、いつから出ているのかや色の変化などを自分で把握しておくことが重要です。

症状を抑えるためには風邪薬が有効ですが、服用には注意が必要です。
風邪薬にはウイルスや細菌など、風邪の原因になっている病原体に効く成分が入っているわけではありません。
免疫機能による炎症の信号を止めることで風邪に伴うさまざまな症状を抑えるという作用機序を持っています。
先ほど説明したように、風邪から回復するためには炎症を起こして体温を上げたり、白血球による病原体の排除が行われたりという働きが行わなければいけません。
風邪薬を飲むことで風邪の症状は一次的に治まりますが、同時に病原体を排除する機能もストップしてしまいます。

風邪薬によって病原体の働きは弱まらないため、再び免疫の働きが活性化したときには病原体の数が更に増えてしまっていることになります。
風邪を治そうと思って飲んだ風邪薬で、風邪の治りがかえって遅くなってしまう可能性は大変高いです。
どうしても症状を抑えたい場合や、辛い症状に耐えられないときにだけ薬を飲むようにすることをおすすめします。

鼻水を放置すると蓄膿症になることもある

ただの風邪だろう、そのうち止まるだろうと出続ける鼻水を放置していると、蓄膿症と言われる疾患にかかる可能性があります。
蓄膿症は、鼻の副鼻腔と言われる空洞の部分に慢性的に炎症が起こる病気で、年齢や性別にかかわらず発症します。

蓄膿症の症状としては、鼻から喉の方に悪臭のする鼻水が落ちていくことや鼻をかんでもかみきれないことや、炎症を起こすことによって鼻が大きくむくんでしまうことがあげられます。
また、慢性的に鼻が詰まってしまうことや声が出しにくくなることなどがよくみられるものとして知られています。
炎症がひどく出てしまっている場合は痛みを伴う場合もあります。
頬の内側や目の奥、奥歯などが痛みを感じやすい場所です。

風邪やアレルギー性鼻炎などが原因で鼻の炎症が続くと、目の上や頬の下にある副鼻腔に細菌などが入りこみ炎症を起こします。
これが蓄膿症への第一歩です。
身体が炎症を起こすと、これまで説明してきたように免疫機能は白血球を更に働かせ細菌を退治しようとします。
ここで出た白血球の死骸は、空洞である副鼻腔に膿となって溜まっていき、これを放置することで蓄膿症へとつながってしまいます。

蓄膿症で出る鼻は、黄色や緑色で粘度が高くドロドロとしていることが多いです。
初めのうちは風邪と症状が変わらず、蓄膿症と気づくことができずに症状が進行してしまうこともあります。
蓄膿が進行していくと、頭が重い感じや頭痛が起きるものです。
鼻や膿が副鼻腔にたまっていくことで周辺の神経が圧迫され、不快な症状を感じます。
膿が溜まっている副鼻腔周辺に痛みを感じることが多いため、頬や目の周りが痛かったり、その部分を指で押すと強い痛みを感じるのが特徴的です。

蓄膿症の症状の中でも多くの人を悩ませるのが、鼻やのどに感じる嫌な臭いです。
副鼻腔にたまっている膿自体の臭いがすることに加えて、鼻詰まりによって口臭が生じていることが原因で嫌なにおいを感じてしまいます。
口呼吸が続くと口の中が乾燥し、雑菌の繁殖、虫歯や歯周病などの口腔内トラブルを引き起こされます。
これが口臭を悪化させてしまう原因です。
蓄膿症の臭いはドブのような臭いや生ごみの臭いなど、様々な表現をされますが、どれも嗅ぎ続けるにはきついものばかりです。

誰でもかかる可能性のある蓄膿症、自分で改善することも可能です。
鼻水の粘り気が強くなっているため、無理に出し切ろうとして鼻を強くかんでしまうと、中耳炎など耳の病気につながる可能性があります。
蓄膿症の鼻を出すときは、鼻が詰まっていないときにゆっくりとやさしく鼻をかむようにしましょう。
両鼻が詰まってしまっているときは、適度な運動や入浴によって血管を広げることで鼻の通りがよくなることがあるので、鼻を通してから出すようにしましょう。

鼻うがいの方法

鼻うがいは蓄膿の症状の改善に効果的だとされています。
真水で行うと強い痛みを感じるため、血液に近い生理食塩水を必ず使用するようにしましょう。
生理食塩水を自宅で用意するときは、1リットルの水に、小さじ2杯弱の食塩を溶かします。
片方の鼻をふさいだ状態で食塩水を吸い込み、飲み込まないようにしながら前に身体を倒し鼻から水を出します。
何度か繰り返すことで鼻の中の異物や溜まった鼻水を洗い流すことができます。

上手く鼻で吸うことができないときは、すいのみや小さいじょうろを使用する方法がおすすめです。
湯船のへりに顔の片側をつけ、上の鼻の穴から水を通し反対の鼻へと通していく方法です、一気に行うと目元に痛みを感じることがあるため、ゆっくり行うようにしましょう。

鼻うがいが終ったら、やさしく鼻をかみましょう。
やりすぎると鼻の粘膜を傷つけてしまう可能性があるため、頻繁に行うのは避けましょう。
また、うがいに使用する水が不潔だと更なる感染症を引き起こす可能性があります。
清潔な水や容器を使用するようにしましょう。